True Intent of Costumery(衣装の真意)
それは秋のとある休みの日のこと…
「今日私につきあって!」
『え、いやだよお。私今日は忙しいんだから』
「どーせあんたのことだから、ゲームかなんかじゃないの?」
『うぐぅ、でも何で私なの?』
「いいから、あんたじゃないとダメなのよね」
『それじゃあ移動費はかがみん持ちなら』
「んー、しょうがない…それでいいわよ。それじゃあ9時半に糟日部駅ね」
『えーそんなに早いのー。ちょっと待ってよー』
「そんな、あと1時間もあるじゃない」
『だって今やってるゲーム、次のセーブポイントがどこか分からなくてねえ』
「どうせすぐでしょ、まあ10時までは待ってるから」
『んー、分かった。しょうがないなあ』
「ん、それじゃ後でね」
………
時は9時45分…
「ごめんごめん、遅れた」
「はあ…やっぱりね、予想してた通りだわ」
「それで今日はどうしたのかね?」
「ちょっとお願いして見立ててもらいたいものがあるのよ」
「それで私が必要なの?」
「そうなのよ、予算は2万円で3人分なんだけど…」
「もしや今度の文化祭、かがみんのクラスって…」
「そうなのよ、男子の一存でねえ…」
「あはは、かがみのコスプレね…ってかがみは巫女服でいいんじゃないの?」
「あ、それもそうね…まったく、予算は男子持ちとは言ってもねえ」
「かがみんのクラスだと12万くらいだね」
「まったく、男子に押されて決めちゃったけど…みんなこれくらいならって乗っちゃってさ」
「って、かがみ学級委員じゃん」
「最後に男子と女子で割れちゃったのよ。で、学級委員同士のじゃんけんになって…」
「はは…負けちゃったんだ」
「…そうなのよ…」
「よーく分かった、それで私に見立てろというわけか」
「事情も話したし行くわよっ」
「あのさー、あと2人ってあの2人のこと?」
「そうよ、日下部と峰岸ね。向こうで合流予定だから」
「なるほど…って私いなくてもいいじゃん」
「あんたこういうの詳しいでしょ、じゃなきゃ呼ばないわよ」
「…かがみん、自由時間は?」
「終わったら構わないわよ、早く終わらせれば長くなるわね」
「了解。それじゃあかがみん、行くかね」
「そうね、もう時間も無いしね」
ここは電車の中…
「でも3人で2万円ってけっこう少ないかもねー」
「そうなの?相場って分からないから…」
「本格的なのになると、1着3万くらいになるからね」
「げっ…もう少し男子に吹っ掛けておくべきだったかしら」
「まあかがみんはさっき言ったけど巫女服でいいじゃん」
「そうね、でも2人で2万円でも厳しいでしょ?」
「そうだなあ…ド○キなら何とかなるかも」
「え?ド○キってそんなのも売ってるの?」
「知らないんだ、やっぱりねー」
「普段から知っておくことでもないでしょ、そんなこと」
「まあまあ落ち着いてよ、アキバのはそういうのの専門店もあるくらいからねえ」
「…まあ知らなくてもいいことよね、本当に」
「でも二人は厳しいなあ…んー…」
「そういえばあんたの中で、日下部と峰岸のイメージはどうなってるのよ」
「そうだなあ…あ、あのどっちだっけ?元気な方って」
「日下部のことよね、たぶん」
「私のこの服、ちょっと着せてみてイメージに合えばコス服貸そうか?」
「アンタ、そんなのも持ってるわけ?」
「まあね。本当は別のキャラのためのだけど使えるかもって思ったんだけどさあ」
「それで予算が浮くならそれに越したことはないけど…じゃあ峰岸は?」
「性格からだと白○ムの美咲さんとかなんだよなあ。でも髪の長さが合わないしなあ…」
「まあ別にそういうゲームキャラとかじゃなくても構わないわよ。私だって巫女服なんだし」
「それならんー…難しいなあ。あの髪型だと黒髪なら月○の秋葉とかいるけど…」
「良く分からないけどかなり難しそうね」
「まあここは無難に看護婦さんで良いような気がするけどさあ」
「本人見てから決めてからでも遅くはないわよね、でも」
「そだね、そうしよか」
「こんにちは、柊ちゃん」
「うーっす、柊。お、ちびっ子も一緒か」
「ども」
「おいっす、日下部に峰岸。待った?」
「ううん…ちょっとだけね」
「でもどうしてちびっ子連れてきたん?」
「あー、こなたならこういうこと詳しいから」
「んー…」
こなたの目線はあやのの方へと既に向けられていた。
「あ…あの…」
「ああ峰岸、今こなたにコスプレ内容を考えてもらってたのよ」
「柊、私のは?」
「あー、そのことなんだけど…こなた、上着でいいのよね?」
「あ、うん。これがある程度なら何とかなるかな」
「アンタ、ちょっとこれ着てみて」
「え?あ、うん。ってきついなこれ…さすがに」
「かがみ、へその辺りまで裾は来る?」
「ん?うーん…胸の部分が何とかなれば大丈夫みたいね」
「胸はサラシを巻けば何とかなるかしらね」
「それならOKだよ、胴回りは少しパツパツの方がイメージに合うし。スカートは…ローズ色のプリーツって持ってる?」
「あー、あるよ」
「よーし、じゃあみさきちはそれで決定。私のコスプレ衣装貸すから。んー…」
「え?じゃあ私はもうお役御免?」
「んー、衣装合わせした方がいいかも。だから帰りにうちに来て欲しいなあ、かがみんたちと一緒に」
「りょうかーいっ」
「で、峰岸のは決まったの?」
「…あー!あのキャラ忘れてたー!ちょっとあやのさんしゃがんで」
「え…?あ、はい」
きゅきゅきゅっ
と、あやのの髪をリボンで縛るこなた。
「やっぱり…この長さにこの色…決定っ!でも売ってたっけなあ…」
「こなた、知り合いにいないの?こういうの持ってる人」
「…あ、ちょっと待って。あやのさんのサイズならいるかも。ちょっとネカフェ行ってくるよ」
「え?こなた?」
20分後…
「ただいま〜かがみん」
「どうしたのよ突然」
「近くの知り合いにメールで聞いてきた。それで持ってきてもらうことになったから、1時間くらいでここに来るって」
「へえ、分かったけど1時間くらいどうするのよ?」
「2万円の予算使わなきゃでしょ?」
「まさかあんた、流用する気じゃ…」
「ううん、細かい小道具を買い足そうかなって思ったんだけど?」
「あ、なるほどね…ってこの2人もそんなところに連れてって大丈夫なわけ?」
「何とかなると思うけどねえ、早く行こうよ。1時間しかないんだからさあ」
「それもそうね、行くわよ峰岸、日下部」
「え?あ、うん」 「こういうところは初めてですが…はい」
…文化祭がどうなったかって?過去に無い大盛況だったようで、かがみ達はてんてこ舞いだったそうですよ…
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あとがき
4コママンガ題材SS復帰作。今回は「らき☆すた」から。
1年ぶりですか…WEB著作権が厳しくなる嫌な世の中になりました。
人称を決めかねたことを除けば割と素直に書けました。
ま、リハビリ作品ってことで…ね。
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2007・07・23MON
観飛都古